「どういうことだ」
「何が」
「しらばっくれてんじゃねぇよ」
「本当に判らん」
「糞が」

プロシュートは吐き捨てるようにして言葉を投げつけた。アジトの扉を、世界を破壊せんばかりの音で叩き開けて、怒っていた。それは本当に冗談抜きに苛立っている時の気配だった。些細なことで怒りだすプロシュートの、本気の怒りというものは実は案外少ない。いや、いついかなる時も彼は本気で生きているのだろうけれど、彼が純粋に、誰かを殺したくなるほど苛立つことは珍しかった。沸点は低いが、低いうちに爆発するので致命的で取り返しのつかない怒りになることはまず無いのだ。チームの仲間はそもそもそのような人間が多いが、プロシュートとギアッチョは顕著だった。対照的なのがホルマジオで、一度本気で彼を怒らせると、リゾットですら怪我をせずに取り押さえることは難しい。
その程度の事を理解するのにどれだけの時間がかかったことだろうと、怒られている当人である筈のリゾットは無感動に考える。リーダーは優しいけど人を理解するつもりが無いよね、と笑いながら言ったメローネの表情を彼は思い出していた。リーダーってさ、優しいし、そこにあるありのままの俺たちを受け入れてくれるけど、ありのままじゃない心の奥底を探そうとはしないよね。優しいし無関心だよね。大切にするけど知ろうとはしないよね。忘れようとはしないけど探ろうともしないよね。ちょっとありえない位に短絡的だ。にこにこと、いつも通りの笑みを浮かべて話すメローネに、そうかもしれないな、と返した所までは覚えている。その後はどうなったのだったか。
どうして今このようなことを思い出すのかはリゾットにも判っていなかった。それが今日と同じように激しい雨の日だったからかもしれない。

「プロシュート」
「なんだよ」
「床が濡れる」
「濡れればいいだろう」
「タオルを持ってくるから待っていろ」

そのリゾットの台詞を聞くか聞かないかのうちに、玄関に居たプロシュートは、雨でずぶぬれになった彼は目にも止まらぬスピードで殴りかかった。その振りまく荒々しい気配とは裏腹に、直線的にスマートに無駄のない動きで、リゾットの顔を狙う。そうしてリゾットは表情を変えずに避けた。別に余裕ぶるでもなく予測していた訳でもなく、殴られると認識したから避けた、というそれだけの動作だった。短絡的で単純な動作だった。驚愕だとか興味だとか恐怖だとか、そういう人間らしい感情が含まれていた訳ではない。それはただの反射だった。
不意打ちだったそれは彼の頬を掠めて赤くしたが、それだけで、起きた現象はそれだけで、リゾットの黒い眼は特に色を変えることが無い。それ以上プロシュートは攻撃を続けることも無く、今の一連の動きをわびるでもなく、ただ黙ってそこに立つだけだった。何に怖じることも無くかわされた事を恥じるでもなく、存在しているだけで価値があるとでも言わんばかりに堂々としたその立ち姿は、他の人間には持ちえないものだ。彼が立っている床だけが正義だった。しかしその様子にも気押されることはなく、リゾットは玄関から点々と続く水滴の跡に目をやるだけだった。結局、濡れてしまった。それだけを思う。とはいえど、このままプロシュートをぬれ鼠にさせるわけにもいかない。そのような単純な考えで彼はバスタオルを取りに行く。今度はプロシュートも殴りかからなかった。ただその背中を、尊大に、無表情に眺めているだけだった。

外は暗い。嫌な暗さだ。雲は重く低く立ち込め、夜空は世界を呑みこまんばかりに迫って来る。星も月も見えずに、天の高さを誰も知ることができなかった。そこから降り注いでくる長い雨だけが、空と大地との距離を理解しているのかもしれない。冷たく重い雨が激しく叩きつけられる夜だった。風は四方八方から吹きすさび、雨はその道を変えて、道行く通行人達の周りで踊っては叩きつけられていく。前からも後ろからも横からも雨が殴りつけてくる。ろくに整備されていないでこぼこだらけの煉瓦道はもう厚い水の膜に覆われて、ときおり通り過ぎる車のヘッドライトを反射していた。街灯だけが照らす夜の、安っぽい明るさが不自然だ。アジトの外。窓の外。先程までプロシュートがいた世界はそんなふうにして荒れ狂っている。十二月の真夜中。

それと対照的に、この部屋の中のなんと静かなことか。一人取り残されたプロシュートは憎々しげに見渡す。部屋の照明が点いていないのは先程まで誰もこのリビングにいなかったからだろう。彼が帰ってきた騒々しい音では誰も顔を出さなかったが、大声でリゾットの名を怒鳴りつけ呼べば無表情な顔が、何を考えているのだか判らない男が静かに顔を出した。そうして、先程のやり取りに至る。

あの騒ぎにも誰一人として反応しなかったのは、恐らく誰もいないからなのだろう。ペッシならば誰かが帰ってきた途端に顔を出すし、ホルマジオも、顔は出さずとも声はかける。普通の一般人よりもこの二人はそう言う事に対して律儀だった。他のメンバーだって、ギアッチョがいれば物音に切れて出てくるだろうし、メローネがいれば面白そうだと場をひっかきまわしにかかっていただろう。リゾットは、そう、呼ばれたから出てきただけだ。呼ばれなければ彼はきっと一人の時と何も変わらずに作業を続けていたに違いない。そういう男なのである。無関心で、器だけが広いのだ。今、このアジトにはリゾットしかいない。誰もが帰路につく真夜中に、独り残って仕事をしていることに今更プロシュートは感動などもしない。そんなのは判り切っていることだった。この時期は依頼が立てこむ。どいつもこいつも、年が明けてまで嫌いな奴の顔を見たくないらしい。年の終わりに駆けこむかのように、まるで誰かの人生を区切りにするかのように、十二月は繁忙期だ。そんな中でリゾットが、他のメンバーを帰して独り仕事を続けていたことはプロシュートの感情を一つも揺さぶらなかった。相変わらず、下らないと、侮蔑にも満たない感情を抱くばかりである。決して憎い訳ではない。リーダーが彼で無かったら恐らく自分達は誰も付いてこなかったであろうことも理解している。自分も含めて。ただ、かといって同情する気にも感謝する気にもなれないのが本音だった。そこにやらねばならない仕事があるから、やる。他の者にやらせるのは忍びないから自分で処理する。それは本来、暗殺チームだなんて殺伐としたものに似つかない、心やさしい行動と捉えられるのかもしれないが、ところがどっこい、プロシュートは、全くそんな気になれない。

もしもそこになんらかの葛藤があれば。そうすればこちらも何がしかの行動がとれるものを。そう思うばかりである。

この月にばかり依頼が集中するなんて糞野郎どもが、だとか、何故自分だけがこんなに、とか、そういう人間らしい葛藤を超えての行動ならば彼の心を動かしただろう。いいや、もしかしたら、ため息の一つで良かったのかもしれなかった。それだけで、プロシュートはリゾットに対して何らかの行動を取れる筈だった。けれどリゾットにはそれが無い。やらねばいけないことを、やらねばいけない、だけで割り切れる人間だった。絶対にこいつ、夏休みの宿題やらない奴の気持ち判らねえタイプだ、等と、そもそも夏休みの宿題など出された事も無いプロシュートは考える。それがこんなにも、苛立ちを煽るのだ。その単純な思考が。
リーダーはよぉ、なんも考えてねぇんだよなぁ。そう、酔っぱらいながら呟いたのはギアッチョだったか。その時も勿論二人は周囲を破壊してホルマジオに叱られたばかりだったが、割れたワインボトルを片手に語ったのを覚えている。そうだ、自分はギアッチョとは向き合って酒を飲むことができた。部屋が半壊するまで酒の肴を作ることができた。恐らくリゾットと、このように破壊された部屋の隅で酒を飲むことになる日は決してくるまいと頭の片隅で考えながら。
あの人はよぉ、頭良いのになんでか何も考えてねぇよなぁ。作戦だとか配分だとか、そういうことはしっかり考えてる癖に、雪が降ったら雪が降ったとしか主わねぇし、雨が降ったら雨が降ったとしか思わねぇ。だから寂しいとか嬉しいとか、そういうふうに感じたりしねぇよな。多分虹を見ても、ああ虹だと思うだけでそれ以上には絶対にいかねぇンだぜ?オレだったらソッコーで写真撮るけど。
この台詞で判ったのはギアッチョが案外天気に敏感な奴で虹を珍しくて美しいと思う情緒的な心をなんとなく持ち合わせているということだけだったが、そう、だからこそ今思い出したのかもしれない。プロシュートは濡れた身体でそう思う。弾丸のように降り注ぐ雨を見て思う。彼はちゃんと、傘を持ち合わせていた。ちゃんと今日の天気予報を見て傘を持って出かけていた。けれど、さしたくなかったのだ。打たれたかったのだ。撃ちぬかれたかったのだ。身体の全てを、肺の中まで撃ち抜かれたかった。その中で真っ直ぐに立ちたかった。そういう感情を、恐らくリゾットは関知しない。
それがひたすら、プロシュートの苛立ちを誘う。

「傘を」
「あ?」
「傘を、持っていかなかったのか」
「持ってたさ」
「ささなかったのか」
「ささなかった」
「そうか」

柔らかく使い込まれたバスタオルを差し出しながら、リゾットの無表情は変わらない。ことさら優雅な仕草でプロシュートはそれを受け取ると、そのまま薄汚れた雨で濡れた玄関の床に落とした。革靴でそれを踏みにじる。その様子を、バスタオルの行方をリゾットはただ視線で追うだけだった。その目も表情も何も伝えようとはしない。だんだんと染みて汚れていくタオルの方が声を上げているかのようだった。無機物よりも言葉を持たない人間だなんてものが存在していてもいいのか、プロシュートには判らない。悲鳴をあげるプロシュートの靴元を見てリゾットはただ思う。ああ、バスタオルが汚れたと。

「リゾット」
「なんだ」
「答えろ。なんでメローネをこの仕事から外した」
「あいつにやってほしい仕事が他にできたからな」
「成程。あんな誰でもできそうなゴロツキの始末がメローネじゃなきゃできねぇと」
「そうだ」
「いつ知った」
「何を」
「今回の標的が俺の昔の女だったことだ」

その言葉を言う時のプロシュートの表情は苦々しくゆがんでいた。より正確に言えば、「昔の女」と発する時に一際深くしわが刻まれていた。そんな陳腐で安い言葉を、何故自らが使わなければいけないのかと。しかしその対象は、確かに陳腐で安い感傷の唯物だったから、決して間違ってはいなかった。表情も言葉も、これ以上なく適切だった。その事実がまた彼を不愉快な気持ちにさせる。そう言うしかないという現実が。
そんな安いものに煩わされるなんて、とメローネなら笑ったろう。昔のってぇのはどういう基準だとギアッチョなら怒っただろう。イルーゾォなら呆れただろうしホルマジオなら慰めたかもしれない。そして恐らくリゾットは、何も感じないに違いなかった。ただ、昔の女なのだなと、そう認識してその事実を受け入れるだけだった。この言葉に含まれた感傷も侮蔑も、考慮していないに違いなかった。
暗い部屋の中で向き合う二人の距離は、手を伸ばせば互いの肩に手が届くほどである。だというのに、その断絶はなんと深いことだろう。雨に濡れたプロシュートの体温は着々と奪われていっているはずだが、その怒りの熱は冷めやらない。それに対してリゾットはあまりにも落ち着き払っていた。この荒々しい夜に全く似つかわしくない静寂を保っていた。

「お前たちに仕事を振った三日後だったか」
「そうか。どっから知ったのかは興味ねぇから話さなくていい」
「話すつもりもない」
「そうかよ。なぁおいリゾット。それでてめぇはメローネを外したな?」

暗い部屋の中で、電気もつけずに二人は向かい合う。少なくともリゾットの認識はそうであった。しかしプロシュートはその時点で疑問に思っている。果たして今自分とこいつとは向き合っているのだろうかと。自らの憤怒を、勿論リゾットは感じ取っているだろう。他人の感情に疎い人間ではない。しかしその原因を、真に理解しているのだろうか。その怒りに付随する別の感情に気がついているのだろうか。気がついていないに決まっているのだった。気がついていないことにすら、興味がないに違いなかった。
リーダーはよぉ、なんも考えてねぇんだよなぁ。そのギアッチョのセリフの正しさを今彼は身をもって感じている。何も、考えていない。何故怒っているのか、何が悪かったのか、理不尽なのか、正当なのか、正しいのか、間違っているのか、リゾットは考えない。これで、向き合っていると感じることに無理がある。空気を相手にしているようなものだった。

「仲間の昔の女を殺させるなんて後味のわりぃ効率悪そうなことをやるくらいならと思って、わざわざどうでもいい仕事をあいつに回したな?遠ざけたな?俺だけで始末を付けるように、仕向けたな?」
「考えすぎだ」
「あまっちょろいとは思ったが、だが俺は何も言わなかった。メローネじゃなく俺を外すだなんてことしやがったらぶん殴ってやろうと思ったが、てめぇが外したのはメローネだった。ああ、正直言ってちっとは感謝したさ。面倒くさくなくて良い。てめぇの始末くらいてめぇでつける」
「そうか」

プロシュートの弁舌は止まらなかった。それは純粋な怒りから来るものの筈だったが、そこに怒り以外の焦燥が含まれていることに本人は気がついている。これはプロシュートの怒りだったが、これは彼にとっての賭けだった。今、目の前にいる人間が、自分たちのリーダーが、人間であることを確かめるための賭けだった。全てをぶつければ、全てを吐き出せば、そこに何かは生まれるのだと、苛立ちでも憎悪でも良い、某かのエネルギーが生み出されるのだと、それを証明しなくてはならなかった。そうでなければ、この会合に何の意味があるというのだろう。



「なぁリゾット、答えろよ。答えてもらうぜ。」

「だったらなんであの女が、事故で死んでるんだ?」

「自動車事故で見るも無残に引き潰れたんだとよ。トラックが真っ赤なポルシェを踏み潰した。唯一の取り柄だった顔も花瓶みてえにくびれてた腰もぐちゃぐちゃで見る影もねぇ。可哀想に、すっかり錯乱したトラックの運転手はこういった。『俺はブレーキを踏んだんだ。ハンドルも目一杯切った。それでも止まらなかった。まるであの車に吸い寄せられてるみてぇだった』まるで馬鹿みてぇだ。警察は一つも取り合わなかった。そんなバカな話があるか。通行人が見ているんだ。お前の車が一直線に突っ込んでいくところを、ってな」

「馬鹿みてぇだよな?なぁ、俺はこんな馬鹿な真似をする奴を一人しかしらねぇ」

「答えろ、リゾット。なんであの女が事故で死んだ」



射殺すような視線にもリゾットは動じない。この世で最強の暗殺者は、プロシュートの焦燥を一つも解さなかった。
ただ、受け入れただけだった。今彼の同僚が怒りに身を任せていて、その原因が自分にあって、それを知って、この雨の中濡れて文句を言いに来たのだという目の前の現実を受け入れただけだった。それは、部屋の電気がついていないことと、限りなく等しかった。

「俺が殺った。回りくどいぞ、プロシュート」
「おい、答えろよ。なんでてめぇが手を出した。わざわざメローネを外しておいて、最後にかっさらいやがった。だったら最初からあいつで良いだろう。最初から俺を外せば良いだろう。回りくどいのはてめぇだ、リゾット」
「わからないな」
「わからねぇのはこっちだ」
「既にお前は全て話しただろう。お前の女だと知った。だからメローネを外した。仕事に支障が出ると思ったからだ。お前の女だと知った。だからお前を外した。仕事に支障が出ると思ったからだ。ただ、お前は言っても外れないだろうと思った。だから外さなかった。代わりに俺が殺った」
「てめぇは、それを本気で言ってるのか」
「ああ」
「一つも筋が通ってねぇぞ」
「そうか?」

口調こそ疑問の形をとってはいたが、リゾットの表情は一つも変わらなかった。ただ、この雨雲よりも深い目が、プロシュートを映し出しているだけだった。青白い指先は身じろぎもしなかった。空気すら動くことをやめて、部屋の中は死の気配が漂っていた。プロシュートだけが、熱を放っていた。雨に撃たれて、体温を失った彼だけが、この部屋の中で呼吸していた。



「なんで俺を外した。なんで俺にやらせると支障が出ると思ったんだ」
「昔の女を殺るんだ。でない方がおかしい」
「なんでメローネを外した。なんでメローネにやらせると支障が出ると思ったんだ」
「仲間の女を殺るんだ。でない方がおかしい」
「そうかよ」



リーダーは優しいけど人を理解するつもりが無いよね、と笑いながらメローネは言った。リーダーはよぉ、なんも考えてねぇんだよなぁ。そう、酔っぱらいながら呟いたのはギアッチョだった。リーダーってさ、優しいし、そこにあるありのままの俺たちを受け入れてくれるけど、ありのままじゃない心の奥底を探そうとはしないよね。作戦だとか配分だとか、そういうことはしっかり考えてる癖に、雪が降ったら雪が降ったとしか思わねぇし、雨が降ったら雨が降ったとしか思わねぇ。優しいし無関心だよね。だから寂しいとか嬉しいとか、そういうふうに感じたりしねぇよな。大切にするけど知ろうとはしないよね。
リゾットはそれを聞いていた。そうかもしれないな、と返した。プロシュートはそこで向き合っていた。プロシュートは笑いながら言った、そりゃあお前、あいつは人間じゃねえんだから仕方ねえ。あいつは、人間じゃなくて、暗殺者なんだから。それが、酒の席の冗談だったならどれだけ良かっただろう。あの日も激しい雨が降っていた。今、プロシュートは最後の賭けにでる。



「じゃあ、てめぇが殺って仕事に支障はでねぇのか」



リゾットは初めて答えに澱んだ。プロシュートは思う。もしもそこになんらかの葛藤があれば。そうすればこちらも何がしかの行動がとれるものを。ため息の一つで良かった。それだけで、プロシュートはリゾットに対して何らかの行動を取れる筈だった。怒ることも、殴ることも、意味を持つはずだった。全てをぶつければ、全てを吐き出せば、そこに何かは生まれるのだと、苛立ちでも憎悪でも良い、某かのエネルギーが生み出されるのだと、それを証明しなくてはならなかった。今、目の前にいる人間が、自分たちのリーダーが、人間であることを確かめるための賭けだった。
そうしてリゾットはゆっくりと口を開く。



「特に、考えていなかった」



激しい雨の音がする。二人きりの世界の中で、雨の音だけを共有していた。心臓の音は聞こえない。生まれるものは何もない。








朝になればこの男はアジトを出てまた誰かを殺しに行く。年の瀬に駆け込むように、誰かの命を絶って、ああ死んだとしか思わずに、誰かが悲しむのだろう、依頼主は喜ぶのだろう、チームは金を手に入れるだろう、皆も喜ぶのだろうと考えるのだ。いつか世界が滅ぶ日になっても、こいつは、ああ世界が滅ぶとしか思わずに、誰かが悲しむのだろう、自殺志願者は喜ぶのだろう、チームはきっと酒を飲むだろう、庭に植えてあるビオラが枯れるだろうと考えるのだ。




信じられないほど遅くなりましたが、H様リクエスト、「殺伐としたプリゾ」でした…!殺伐…殺伐…?!そういう張り詰めた二人の関係大好きなんですが書けるかどうかで言ったら別問題なのでありました。H様のみお持ち帰り可とさせていただきます。このような無更新サイトにリクエスト本当にありがとうございました…!!





inserted by FC2 system